~冬号 2013 Winter NO.643~より
東京駅復原工事
平成24年10月1日、東京駅丸の内口駅舎復原工事が完了し、全面再開業されました。
赤レンガ造りの東京駅丸の内口駅舎は辰野金吾らの設計で1914年に竣工。しかし昭和20年5月の空襲により、赤レンガ駅舎はその多くが破壊、焼失。レンガ造壁とコンクリート造床の構造体は残りましたが、鉄骨造の屋根は焼け落ち、内装もほとんどが失われました。終戦後から昭和22年にかけて修復工事が行われ、3つのドーム部分の外壁は修復しましたが、安全性を配慮して焼失が著しかった3階部分内外壁は取り払われ2階建に変更され、中央ドームは木造小屋組みで元の形に復原、南北両ドームは丸型から台形に変更されました。
この時の修復は、戦後間もなかったこともあり、当初は応急復旧の考えで行われたものでありました。
昭和63年、政府は学識者の委員会による東京駅周辺再開発構想を取りまとめ、赤レンガ駅舎の現在地での形態保全の方針を決定し、JR東日本などの検討により、平成11年、本来の形態に復原することとなりました。
平成19年より工事が開始され、鉄骨鉄筋コンクリート造で躯体を増築し建築当初の3階建に戻した上で、外壁、尖塔、南北両ドームの内外の意匠も再現し、新たに地下1.2階も増築し、免振装置が設置されました。
復原された外壁には当初と同じ仕様の厚さ 15mm の化粧煉瓦が貼られています。線路側はコンコース側の壁を撤去し、トップライトから採り入れる自然光で復原された丸の内駅舎を見ることが出来るようになっており、 線路側の中央部の屋根をガラス化され屋根裏をホテルのゲストラウンジにしています。
今回、創建時のドーム屋根の外観とともに3階以上の内部は創建時の意匠に忠実に復原されています。
所在地:東京都千代田区丸の内1丁目